2001前期 授業評価アンケート調査結果
■実施概要 実施目的 質問項目 回答方法 主な傾向 受講者数規模別 総括
221科目 今回の授業評価アンケートが実施された科目の総数【2000年前期:135】
教養 106 【109】
美術史・文化財保存修復学科 29 【0】
歴史遺産学科 24 【0】
生産デザイン学科 2 【0】
環境デザイン学科 3 【7】
情報デザイン学科 9 【46】
教職課程 17 【14】
12,845人 対象科目を履修登録した学生の延べ人数(削除者を含まない)【7,896】
10,408人 対象科目を履修登録した学生の内、単位を取得した延べ人数【6,187】
7,435人 対象科目を履修登録した学生の内、アンケートに回答した延べ人数【4,739】
81% 履修登録をした学生の単位取得率(22%は単位を取得できなかった)【78%】
58% 履修登録者数におけるアンケートの回答率
71% 単位取得者数におけるアンケートの回答率
■実施目的 実施概要 質問項目 回答方法 主な傾向 受講者数規模別 総括
この授業評価アンケートは、2001年の前期末に、教養や教職課程の科目を始め、各学科の講義及び一部の演習科目を対象に実施されました。実施された221科目は、前期の総授業科目数374科目の60%を占め、前期の全科目の総受講者数(全受講者の延べ人数)18,634人のうち、本アンケートの対象となった受講者は延べ人数で12,845人となりました。
本アンケートの実施目的は、受講者のみなさんに授業評価をしてもらうことで、本学の教育の質を維持・向上させることにあります。教員は、アンケートの結果を参考にしながら、より充実した授業運営を目指し、いっそうの学習効果が得られるよう様々な改善策を行っています。なお、アンケートの質問内容からも分かるように、授業評価を通して受講者自身の自己覚知を促し、授業・学習に対する意識向上を図ることも重要な目標の一つとしています。
本アンケートは教養科目を担当する教養部の責任の下で作成、実施、及び集計されましたが、教養科目のみならず、各学科の専門科目も対象となっています。なお、東北芸術工科大学では1999年度より全学規模で授業評価に取り組んでおり、各学科において授業評価アンケートが独自に開発・実施されています。
■質問項目 実施概要 実施目的 回答方法 主な傾向 受講者数規模別 総括
□全体評価と感想
1 この授業に対する全体的な満足度は. . .
2 この授業は有意義だと思う. . .
3 新しい知識や考え方を修得する場としてこの授業は. . .
4 この授業を通して、より論理的に考えることが訓練された. . .
5 この授業はより効果的に自分を表現するのに役に立ったと思う. . .
6 授業内容の自分の理解度は. . .
□教員について
7 教員は、高度な内容でも分かりやすく説明しようとした. . .
8 学生の反応・理解度に応じた授業の進め方(工夫)は. . .
9 授業での学生の質問や意見を聞く配慮は. . .
10 担当教員の授業の準備は. . .
11 この授業のシラバス(授業概要)は. . .
12 教員の話し方(明瞭さ)と聞き取りやすさは. . .
13 板書の仕方は. . .
14 教材(プリント、ビデオ、OHP等)の使用は. . .
15 授業1回分の進み具合は. . .
□設備や環境について
16 この授業で使用された教室、施設、設備等の適切性は. . .
17 受講者数の規模は. . .
18 この授業の受講者のマナー(遅刻、途中退席、私語など)は. . .
□自らの履修態度について
19 この授業への自分の出席率は. . .
20 この授業に対する予習や復習の私の努力は. . .
■回答方法 実施概要 実施目的 質問項目 主な傾向 受講者数規模別 総括
上記の項目に対して、受講者には以下の選択肢の中から一つだけ選んでもらいました。右側に添えられてある数字は、データを集計する際に割り当てられる点数です。なお、「該当しない」は、平均値等を計算する際に除外されます。
□非常に良い 5
□ ↓ 4
□ ↓ 3
□ ↓ 2
□非常に悪い 1
□該当しない
■データの主な傾向 実施概要 実施目的 質問項目 回答方法 受講者数規模別 総括
結果の概要を読み取る際には、以下の2点に留意してください。
1)肯定的な回答(“良い”)とは、「非常に良い」(5)と次の段階(4)の合計値であること、否定的な回答(“悪い”)とは、「非常に悪い」(1)とその上の段階(2)合計値であることを意味しています。
2)全受講者を対象にしましたので、同一人物が違う授業に対し複数回(1〜10数回)回答していることになります。ここで公表しているデータは個々の授業のものではなく、あくまで全対象科目の全回答を平均したものです。従って、全体の結果と各授業の実態が食い違う場合があります。その意味で、平均値等の解釈に制限があることをご理解ください。
【項目1】「この授業に対する全体的な満足度」、【項目2】「この授業は有意義だと思う」、及び【項目3】「新しい知識や考え方を修得する場としてこの授業は・・・」において、“良い”と答えた学生は60%〜70%を占めています。“悪い”とした学生は10%前後ですが、平均で見ると10科目に1科目の割合で低い評価が与えられており、改善が求められます。
□授業の理解度 全体評価 教員について 設備と環境 履修態度
【項目4】「この授業を通して、より論理的に考えることが訓練された」、【項目5】「この授業はより効果的に自分を表現するのに役に立ったと思う」、及び【項目6】「授業内容の自分の理解度は」では、“良い”と答えた学生の割合は、50%前後で、“悪い”は10%強となっています。従って、約半数の学生は授業の内容を充分に理解していないことが言えます。
教員に対する学生の評価については、【項目10】「担当教員の授業の準備」で71%、【項目7】「教員は高度な内容でも分かりやすく説明しようとした」で62%、【項目12】「教員の話し方と聞き取りやすさ」で62%の学生が“良い”としており、比較的高い評価を得ています。しかし、【項目12】では、13%の学生が否定的な評価を与えており、一部の学生にとっては聞き取りにくい授業があることも認識する必要があります。
この他に比較的に肯定的な評価を受けている項目としては、【項目15】「授業1回分の進み具合」が59%、【項目14】「教材の使用」(61%)、【項目11】「この授業のシラバス」(57%)、【項目8】「学生の反応・理解度に応じた授業の進め方」(50%)、【項目9】「授業での学生の質問や意見を聞く配慮」(52%)が挙げられます。しかし、これらの項目の中には、【項目8】や【項目9】のように、無視できない否定的な評価(いずれも10%以上)も見受けられます。教員側の配慮ももちろん必要ですが、学生のみなさんの積極的な受講姿勢も求められるところです。協力を願いたいところです。
改善が急がれる項目としては、【項目13】「板書の仕方」(肯定的評価=36%、否定的評価=16%、該当しない=13%)が挙げられます。大学の教師が比較的おろそかにしがちなところであると思われますが、工夫と努力の必要を感じます。なお、学生のみなさんに対しては、可能な限り前の方の席につかれることを希望します。
□設備や環境について 全体評価 理解度 教員について 履修態度
教室や設備については、比較的多くの学生が“良い”と評価しています。【項目16】「授業で使用された教室、施設、設備等の適切性」では66%の受講者が肯定的に評価しており、【項目17】「受講者数の規模」についても61%の学生が“良い”とし、適切ではないと考えている学生は全体の8%に止まっています。
□自らの履修態度について 全体評価 理解度 教員について 設備と環境
【項目19】「この授業への自分の出席率」では、75%もの学生が“良い”としています。出席を重視している考え方をしていることがうかがえます。ところが、【項目20】「この授業に対する予習や復習の私の努力」では“良い”と回答した学生が32%(“悪い”は22%)であり、全質問項目の中で際立って低い評価となっています。授業以外の時間に積極的に学習をすすめることは、受講者自身のためになるばかりでなく、授業の水準を高めることにもつながります。
【項目18「この授業の受講者のマナー」では、“良い”と回答した学生が全体の46%だったのに対し、“悪い”とした学生は17%もいました。一部の学生に見られる遅刻や途中退席、携帯電話の呼び出し音、居眠り、私語等は、本人が思っている以上に授業の妨げになります。受講者の興味・関心、学習意欲を維持・増進させる教員の努力も必要ですが、受講者同士でも注意しあうなどの協力を求めたいところです。
■受講者数の規模別で見た場合 実施概要 実施目的 質問項目 回答方法 主な傾向 総括
ここでは、アンケートから得られた全体のデータを受講者数の規模別に分析してみました。その結果、以下に示すように、40人以上の規模になると変動が見られますが、受講者数が少ないほど、受講者の授業評価が高くなる傾向がありました。このことは、項目単位でみてもほぼ当てはまるものでした。
規模 科目数 全項目の合計平均順番【2000年】
10 34 1 【 1】
20 26 2 【 2】
30 57 3 【 3】
40 22 6 【 4】
50 18 4 【 8】
60 7 7 【 9】
70 6 5 【 7】
80 11 10 【 5】
90 7 9 【10】
100 5 7 【 6】
受講者数が少ないと評価が高くなる理由については、1)教員と学生のやり取りの回数が増え、質問もしやすくなる、2)教員の学生理解が深まり、理解度に応じた授業をしやすい、3)個別指導を受けやすくなる、4)話しを聞き取りやすく、黒板等もよく見える等、授業の質の面での利点が多くなることが考えられます。他方、教員と受講者の間の親密度も高まり、それが逆に「甘い評価」につながることも事実であろうと思われます。教師に対する忠誠度の審査になってしまわないよう、注意していくことが必要であると考えています。
■総括 実施概要 実施目的 質問項目 回答方法 主な傾向 受講者数規模別
今回の授業評価アンケートの結果を見る限り、学生のみなさんは、本学の授業に対して、全体として肯定的な評価を下してくれているようです。個々の項目についてみても、授業に臨む教員の姿勢、授業運営等について、多くの学生がかなり高く評価してくれており、また、教員の授業準備、分かりにくい内容を説明する努力、教材やシラバス、質問や意見を聞く配慮、そして受講者の理解・反応に応じた授業の進め方等の面についても、概ね肯定的な評価をしてくれているようです。授業に対する満足度は低くないものと推測されます。
しかし残念ながら、こうした高い評価が下されているにもかかわらず、授業内容を充分に理解しきれないと感じている学生も少なくありません。授業にはよく出席しているのにそうだということは、教員が学生の理解の範囲を遥かに超えた授業を展開しているということでしょうか。今後、この点に関して充分に調査していく必要がありそうです。但し、次の点についても確認する必要があると思われます。すなわち、「授業によく出ていると意識している一方で、授業時間以外に学習する努力が足りないと感じている」という、先に指摘した点に関係した問題です。「出席すれば、単位がもらえる(あるいは与える)」というような考え方がもし少なからずあるのだとしたら、自ずと授業そのものが不活発になり、学習効果が低迷してしまうことは目に見えています。そうならないように、教員、学生共に気を引き締めていかなければならないと思います。
アンケートに協力してくれた学生の皆さんにお礼を述べたいと思います。少なくない労力を費やしたものと推測します。それに報いるべく授業改善の努力を続けていくことが私達の責務であると思っています。外に向かって誇れる授業にするためにも、今後も、よろしくお願いします。